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2007年06月12日更新

アトリエ ジャンヴィエ訪問記 その1

マスターズトーク スペシャル -アトリエ ジャンヴィエ訪問記-
- Atelier JANVIER In Ste-Croix -

ニューシャテル駅から約1時間あまりで温泉の街イヴェルドン駅に到着します。
そこから乗り換えをして、単線で約1時間ほどで終着駅のサント・コアに着きます。
途中も長閑で、牛が放牧されているので車窓を開けていると牛のにおいもするのですが、その牛のにおいもなんだか良い香りに思えるくらいに、空気も澄んでいます。
二枚目の画像は、サントコアに到着するまでの途中の駅です。駅も小さいです。
三枚目の画像は、緑が広がる丘をどんどんと登って行きます。
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麓のイヴェルドン駅からサントコア駅まで、車で登ると約20分程で着くのですが、電車ですと、山の裾野をグルグルと廻って登る為、時間が掛かります。
二枚目の画像の山裾をグルグルと廻って登って行きます。
三枚目の画像まで登ってくると、あともう少しでサントコアの駅に到着です。
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終点までもう少しのところで、ニューシャテル湖が眼下にひろがって来ます。
天気が良く奇麗な風景でしたので、撮影した画像を絵画風に加工してみました。
ちょっとおしゃれな感じでしょ?


単線なのでコトコトコトコト、時にポーッと汽笛が鳴り、とても風情が合って心地よい時です。
市街では、少し暑く感じた気温もここまで登って来るとちょうど気持ち良い気温です。
そうしていると、終点のサントコアに到着しました。
ここから歩いて約10分ほどで、ヴィアネイの工房、ジャンヴィエS.Aに到着します。
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すぐ近くの国境を越えるとフランスに位置する、人工約3000人程の小さな片田舎サントコアに、かつての学校を買い受けて工房に改装したヴィアネイハルターの工房、ジャンヴィエS.A。
のんびりと時が流れる中で、静かにそして、コツコツと時計製作が行われています。
工房の裏手は、冬にはスキーが出来るなだらかな丘が広がっています。
普段この次期は、雪がまだ積もっていたりするのですが、今年は暖冬だったので、もう春が来ていました。
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毎年バーゼル期間中にヴィアネイの工房にお邪魔しますので、当然ヴィアネイ自身は、期間中工房にはあまり戻らないのですが、今年は、ヴィアネイも技術の方々と一緒に迎えてくれました。
技術の方々や関係者の方々には、ホームページの掲載の承諾を頂いておりませんので、ちょっと顔を伏せさせて頂いております。
二枚目の画像は、工作機械を作る為の機械です。
三枚目の画像は、昨年には無かったコンピューターとCNC旋盤機を繋げた機械のようです。
もう一台増やしたようです。
大手時計製造メーカーのように一台何億もするようなCNC旋盤機もヴィアネイは、作ります。
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ヴィアネイの作業風景です。
二枚目の画像は、時板の面取りでしょうか。
やはり目の前でカメラを構えられると、厳しい表情になってしまいますよね。
三枚目の画像です。磨いて焼き入れ、焼き戻しを終えた針を台紙に留める為の紙を切っているところです。
ヴィアネイは、こんなこともしているようです。
ちょっとヴィアネイに微笑んでもらうようにお願いしてみました。
普通作業中は、こんな表情は、しませんよね。だから、ヴィアネイも自分の表情でおかしくなって、笑みがこぼれた瞬間です。
「たぶん、『笑えって言われてもなぁ…。俺どんな顔してんだろ?』ってところだと思います。」
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ちょっと神経質的なイメージに思われがちのヴィアネイですが、休憩の時には、こんな表情の時もあります。
三枚目の画像では、『そんなに写真ばっかり撮るなよ。』って笑いながら言われました。
もちろんですが、仕事の時は一生懸命です。
ヴィアネイの色々な表情も見れてなかなか楽しいですよ。
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みなさん黙々と作業をしています。
手前の彼女は、研磨やポリッシュなど(勿論その他の作業もこなされます。)をしている時計師のローザちゃんです。
繊細で丁寧な作業が要求されます。
「撮影しても良い?」って聞いてOKだったので撮影しました。
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画像一枚目は、現在ヴィアネイが簡単な作業をする為の作業机です。組み立てや調整等は、別の作業机で行っています。
画像二枚目は、アンティコアのケースと窓枠等です。
ピンクゴールドとホワイトゴールドとプラチナです。
画像三枚目はクラシックの尾錠です。
“VH”のロゴにエナメル樹脂で文字入れがされた状態のままで、尾錠横のピンも打ち込まれていない状態です。
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アトリエ ジャンヴィエ訪問記 その2

マスターズトーク スペシャル -アトリエ ジャンヴィエ訪問記-
- Atelier JANVIER In Ste-Croix -

みなさんは、私が動き回って撮影しているのですが、気にせずに黙々と作業をしています。
「邪魔しないようにしていますので…。」
現在ヴィアネイが作業をしている作業台の横のテーブルの上には、昨年発表されたトリオのホワイトゴールドのケースが2ピースと、ピンクゴールドのケースが2ピースございました。
聞きますと、やっと一つ出来上がったそうです。
現在このケース達は、ムーブメント待ちの状態だそうです。
当店のオーダー分は、まだ先のようです。
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ヴィアネイの作業机の向かいの机には、彼の特許であるミステリアスワインディングローターが並んでいました。
これは、クラシック用のローターです。
その下のパーツケースには、クラシック用のラグが、ケースに取り付けられるのを待っています。
画像三枚目は、クラシックのムーブメントを組み立てているところです。
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画像一枚目は、CGデザイナーの方です。フレックスタイムなので、出社は決まっていないようです。
画像二枚目は、今年発表された新作“ジャンヴィエ”のパーツです。
何時頃完成なのかなぁ?ちょっと?当分?先のようです。
また別の部屋では、ヴィアネイが設計したそのジャンヴィエをCGに落とし込む方と、その動きをデザインする方々です。
「こうすると、このように動くんだ!」と、詳しく教えて下さいました。
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画像一枚目は、裏側の機構の説明で、文字板側のポインターデイト表示とリンクしている裏面でMonth(月)の表示をする為の針の動きとを、説明して頂きました。
二枚目は、リューズを回すと時針と分針の動きに連動して12時位置にある黒い丸の針と、その下にもう一本隠れている白い丸の付いた針とで月の満ち欠け、いわゆるムーンフェイズ機能を表示し、水色の針で太陽暦[季節の交代する周期(一太陽年)をもとに作られた暦。現在、世界の共通暦であるグレゴリオ暦はこの一種で、一年をほぼ太陽年と等しくしたもの。1 年を 365 日、4 年ごとに閏年を置いて 366 日とし、100 年ごとに閏年を 1 回省き、400 年で閏年を 97 回とする。]いわゆるパーペチュアルカレンダーの表示を示します。
三枚目の画像では、ケースに納めて、ラグを付け、裏蓋も付けたジャンヴィエを画面上でクルクルっと回して、完成した状態のデザイン等も見せて頂きました。
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隣の部屋では、時計師の方がまた別の作業をされていました。
一枚目と二枚目の画像は、以前《独立時計師達の小宇宙》というNHKハイビジョンで放送された時に、フィリップ・デュフォーさんがリューズの先端を磨く作業の時の風景と同じなので、ご存知の方も多いと思います。
『リューズの先端を0.1mm細くします。』ってNHKのアナウンサーのコメントが入っていたところです。
しかし、こちらの作業は、リューズの先よりももう少し細い、アンクルの受け軸の先端を磨く作業です。
やはり同じように、くじらのヒゲを使っておられます。
画像三枚目は、アンクルのを仕上がりを顕微鏡で確認しているところです。
リューズの先端ならルーペでも見えるのですが、アンクルなので、顕微鏡を使わないと見えない部分です。
何気なく、普通に作業をされていますが、これがNHKのコメントが付くと、とんでもない事をしている時計師さん…ってことになるのでしょう。
いや、確かにここまでするのは、すごいんですけど…。ここまでは、大手メーカーでは、まずしない(出来ない)作業です。
この作業は、いくら最新のCNC旋盤を導入している大手有名ブランドでも、不可能です。手作業でないと出来ない仕事です。
大手ブランドの中でも、複雑時計を作る為の時計師の方もおられますが、それは数千万円以上する時計のみを手掛けられる方々で、手にする事が限られるモデルしか作られませんが、ヴィアネイのクラシックの様な価格では、通常企業としてのコストが合いません。
技術を持った時計師がおられる独立時計師だからこそ出来る技です。
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画像一枚目左は、文字板のロゴプレートです。
ヴィアネイ・ハルターの全てのモデルは、文字板がロゴプレート、インデックスプレート、文字板主板等が全てバラバラですので、全て磨かれます。
実物をじっくりとご覧頂くとお解り頂けると思いますが、プレートの側面も磨かれた状態なのは、その為です。言われないと解ない部分ですが、細部まで丁寧な仕上がりなのは、独立時計師ならではの実感が得られます。
画像二枚目は,磨きを終え焼き入れる前の時針と分針です。
通常他のメーカーでは、針は真鍮プレートからプレス機で打ち抜かれて、ある程度のバリがバリ取り機で取られて、ごっそりまとめて焼き入れが行われます。中には、そのままの状態で使用される場合も多いようですが、ここでは1本1本手作業で、針のアールに形が整えられ、磨かれてから、丁寧に焼き入れられてそして、焼き戻されます。
だから焼き入れ前でもこれだけ美しい針が出来るのです。
画像三枚目です。
隣の机には、歯車が乗せられるのを待っている、アンティコアの時板がありました。
この状態だけでも仕上げの美しさにため息が出ます。
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ヴィアネイ、何か真剣に考えています。
「ふ~~ん、どうかな~~?」って感じの表情です。
ヴィアネイは、こんなひょうきんな表情もするんですよ。
最後のモノクロ写真は、カタログの一コマ風に撮影してみました。
カッコいいでしょ。
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デザイナーの方のコンピューターの上には、今年の新作“ジャンヴィエ”の模型が飾られていました。
“MAN.JANVIER”はマニュファクチュール ジャンヴィエの略のようです。
別のところにも模型がありました。
こちらの方には、10時位置のスモールセコンドに“VH”のロゴが入っていました。
こちらには、ムーンフェイズ表示の針が付いていました。
三枚目の画像は、昨年ヴィアネイが作った、鎖引きの鍵巻き式トゥールビヨンの画像をプリントアウトしたCG画像です。
これいずれは、製品化されるのでしょう。
昨年この機械の実物をヴィアネイに見せて頂きましたが、取材の方々には見せていなかったので、まだ先の話かな?
って思っています。
もうクラシックも残り少なくなって来ているとの事です。
しかし、クラシックに変わるラインも欲しいので、これからヴィアネイに、クラシックに変わるモデルを作って貰えるようにお願いしようかとも思っております。
いずれにせよ私には、サントコアのようにのんびりとした、空気の奇麗なところで、ゆっくりと流れる時間が好いように思います。
是非一度、機会があればご一緒に…。
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