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2007年07月15日更新

- ゲルバーinチューリッヒ訪問記 -

今回2007年のバーゼルは、出発を一日遅らせましたので、開催初日にチューリッヒ国際空港に到着しました。フランクフルト経由で約14時間でしたが、時差ぼけもなんのその。
ホテルにチェックインすると間もなく独立時計師“ポールゲルバー”氏の工房にお邪魔させて頂くべく今年も同じチューリッヒの駅前にあるホテル“モンタナ”まで、ゲルバーさんの奥様に車で迎えに来て頂きました。
そして車で走る事約30分、町外れの閑静な住宅街の一角にあるゲルバーさんの自宅兼工房に到着しました。
右側に停車しているフィアットは、奥様の車です。これで、迎えに来て頂きました。
正面が工房で、左前の扉を入ると、掘削機や旋盤機等の部屋の壁には、ルイ・エリゼ・ピゲやレトロツインパワーリザーブ、フライングトゥールビヨンのケージ等の写真が飾ってありました。
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機械室の右側の扉を抜けると、一枚目の画像です。この部屋の左側が工房で、右側の部屋には、洗浄機やバフなど掛けるグラインダーが設置してありました。
左側の扉を開けると二枚目の画像です。
女性の方が、ゲルバー婦人で、右側の方がアメリカのエイジェントの方です。画像三枚目が、ゲルバーさんの作業机です。
貴重なパーツや工具類が騒然と置かれています。
作業机の前には、ビブログラフが置かれており、その横にはウッドのケースに収められたゲルバーさんのテーブルクロックが置かれています。
これは、トゥールビヨンでは無いようです。
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ゲルバーさんの作品の原点は、ミニチュアクロックだそうです。
壁に掛けられた本当に小さなクロックが、とても可愛らしく時を刻んでしました。
伏せ瓶に入ったテーブルクロックもとてもかわいいです。
現行モデルである隣の小さなテーブルクロックでも小さいのですが、それよりもまだ小さいです。
三枚目の画像は、ゲルバーさんの作業机ですが、大きなビブログラフの横にテーブルクロックと伏せ瓶に入った、ミニチュアクロックが並んでいます。
かなり小さいのがお解り頂けると思います。
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ゲルバーさんの作品の中でも最も有名な時計の一つが、こちらの画像の腕時計です。
ルイ・エリゼ・ピゲという19世紀末に世界で初めて閏年を含んだパーペチュアルカレンダーや分積算系等その他複雑な機構も発明した、超天才時計師が手掛けた時計で、未完成のまま亡くなられ増した。
そして十年程前まで、そのままの状態でスイス、ラショー・ド・フォンにある国立時計博物館に所蔵されていました。
しかしその後、1982年にフランク・ミュラー氏が、このルイ・エリゼ・ピゲの作品にグランソヌリミニッツリピーターを搭載して完成させた形となったのです。
よって文字板の12時の位置には誇らしげに、彼の名前がプリントされているのです。
しかし、実はこれで完成では無かったのです。
実は、この後ゲルバーさんがフランク・ミュラー氏の搭載したグランソヌリミニッツリピーターをウエストミンスターチャイム式のミニッツリピーターに改良し、その上トゥールビヨンやレトログラード機構を搭載した
[グランソヌリウエストミンスターチャイムミニッツリピータ-付きトゥールビヨン、60秒レトログラードセコンド&Monthレトログラード、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンドクロノグラフ]、総部品点数1116ピースと言うとてつもない複雑時計を作られた訳です。
ゆえに世界一複雑かつ世界一部品点数の多い腕時計で、ギネスブックにも登録されている時計となったそうです。
この時にゲルバーさん曰く『フランクがミニッツリピーターを搭載した…って言っているが、彼は、ルノー・エ・パピのリピーターのパーツを買って、そのまま乗せただけだよ。』と部品の所を指して、そのように説明してくれました。
「へ~そうだったのか!」と思う反面、確かに頷けます。
しかし、彼の名前もギネスブックに登録されているのです。
やはりフランク・ミュラーは、色々な意味ででも凄いですね。
しかしそれ以上にゲルバーさんは、凄い時計師です。
凄い時計師だな!だから有名なんだな!と、思われがちですが、もっと凄くてもあまり知られていない、時計師さんもまだまだスイスには、たくさんおられます。
その後も、このルイ・エリゼ・ピゲの資料について見せて頂き、詳しく説明して下さいました。
普段は、やはりスイス国際時計博物館に所蔵展示されているのですが、今回現物を見れたのは、実はたまたま所有されているドイツ人コレクターの方からの依頼で、調整の為ゲルバーさんの所に戻って来ていた所だったそうです。
ちょこっとだけ、触らせて頂きました。
ずっしりとした、程よい重さでクロノグラフプッシャーの感触も非常にソフトで柔らかくて、思わず叫びそうでした。
ホント、ラッキーでした。
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こちらは、スイス国際時計博物館でしか販売されていない、ゲルバーさん設計、製作の時計MIH(Museum International Horlogerie) Watchです。
とてもシンプルなアニュアルカレンダーのワンプッシュクロノグラフを搭載しており、歯車などもゲルバーさん設計、開発でつくられています。
ゲルバーさんに、「これを、売って欲しい!」ってお願いしましたが、「これは、ミュージアムだけで売るという契約なので、私からは売る事は、出来ないんだ。」って断られました。
「そりゃ、仕方ないですね。ミュージアムで買うしか無いですね。」ってことでした。
2005年から2007年までで毎年100本限定で生産され、今年で最後になるそうです。
という事なので、やはりお願いしてしまいました。
「出来れば、ゲルバーさんのサインを裏蓋にエングレーブして下さい!」ということで、ミュージアムで買った事にして貰うようにお願いしました。
いつ届くかが楽しみです。
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